5月10日 いいかげん飽きますって
昼休み阿呆面さげてアホどもが来る。
「ねぇねぇっ凍也君一緒にお昼どお?」
「私たちと一緒に食べようよっ」
あーウザったい。
「御免ね。先約があるから。」
「そうなんだー残念〜」
「今度一緒に食べようね!!絶対だよっ!」
わらわらわらわらいつまでも沸いてきてウザい。
そしてそれに入れ替わるようにやってくる犬。
「よ!食おうぜ!」
「……阿呆面。」
「え……俺!?」
「以外に誰がいるんだっての。」
阿呆面さげて毎日毎日あきもせず僕の教室でご飯を食べる。
まあ僕としてはウザい取り巻きどもから逃れられるから
利用させてもらってるし悪い気はしないけどさ。
「あのさー」
「……むあ?」
「汚い。口閉じる。」
ぽかんと口をあけたまま阿呆面するもんだから軽く睨みつけると
急いで飲み込んで何?と聞き返してきた。小学生か。
「駿とかってさぁ彼女とか居ないわけ?」
実際あんたモテるんじゃなかった?
あんまり興味も無いけど暇だから聞いてみる。
僕には劣るけどバレンタインデーにまあまあ貰っていた記憶がおぼろげにある。
「いない。興味ない。」
あそ。そんなことだとは薄々思ってたけどさ
「なんで?」
「だって俺は陸上と生徒会の両立だけで忙しいし」
うわ。
詰まんないっていうよりも呆れる。
「それに」
「それに?」
まあなんとなくありきたりな言葉を予想して
ミートボールを箸でつかんで聞き返す。
「俺凍也と一緒に居る方が楽しい!」
ぽとり……
思わずミートボールが落ちる。
……何いってんだこの馬鹿は……。
「あのさ。駿、それ意味わかっていってんの?」
「はっ?意味??なんの?」
駄目だこの馬鹿。
呆れてものも言えない。
取り落としたミートボールをまたつかんで口の中に放り込む。
阿呆らし。
僕がこんな馬鹿を理解しようだなんてその時点で間違ってんだ。
「とぉ〜〜やぁ!!一緒に帰ろうぜ!!」
「うっさいなぁ。もっと静かに歩けないわけ?馬鹿じゃないの。」
「酷ぇ!!あ、そいやさぁ今日部活で……」
いい加減飽きたけど
まあそんなこれも僕の日常の一部。