５月１日 マスコット
「ねぇ志里？」
「なぁに葵ちゃん？」
ああまたこの天然馬鹿娘は純真な瞳をむけやがって。
話しかけにくいでしょーが。
「それ、何？」
「それって〜？ああこの子？？」
昨日からある。マスコット。
志里の鞄にぶら下がっている。女の子みたい。
やけにリアルでゴスロリの服を着ている。志里の趣味ではないと、思うんだけど。
「ライムっていうのー可愛いでしょ？」
にこにこ笑う。
対照的にそのゴスロリ人形は心なしか暗い顔。
「こんにちわ」
え？？
当りを見回すけど近くに居るのは志里だけ。志里の声じゃない。
まさかと思って志里の鞄を見る。
そのライムとかいう人形はぺこりとお辞儀した。
「でぇ！？えぇ！？！？」
「あははははー驚いたぁ〜？」
…………この馬鹿天然娘がっっ！！
「声に反応するとかいうロボット？」
「えー。やだなぁー違うよぉ〜ホントにライムは生きてるもん」
へ……
「はぃ〜〜！！！？？？」
「あははは〜葵ちゃん面白い〜」
おも……面白いってあんた！！
なに！？それ！？動く人形って！
へらりっ……
ひぃぃぃ！！なんか哂ったぁ！！？？
「しっ……しししし志里！！それやめたほーがっ！？」
「え？なんでぇ？良い子だよライム」
ああ駄目だこの子。
なんか気のせいか背景がキラキラ光ってる。
今時珍しいくらいの良い子なんだけど……ねぇ……。
まぁそんな天然な志里が好きで親友やってるんだけど、さ。
どーしたもんかなぁ？
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