4月10日 二つ揃わないと意味がないの
「葵ちゃーん♪」
「ん?なぁに志里?」
まぁ本当は予想がついてるけど。
だって今日はあたしの誕生日なわけだし。
「えへへへへー」
にこにこ笑う志里。本当分かりやすい子。
純真で真っ直ぐでたまにあたしが隣に居て良いのかどうかわかんなくなっちゃうくらい。
「はい!お誕生日プレゼントっ」
ほうら。やっぱり。
志里がとりだしたのはネックレス。
銀の細いチェーンがついていて一つだけ飾りがある。
「鍵……??」
ちいさな鍵がついたネックレス。
嬉しそうに志里はうなづく。
「うん。でねぇー私が鍵穴のやつなのぉ〜」
にっこりと笑う。
そういってちらりと見せたのは小さな鍵穴の飾りのついたやつ。
二つで一つのおそろいもの。通販雑誌とかでよく見るやつだ。
「こういうのってさぁ、普通カレカノでやるんじゃないの?」
「うぅ??そうなの??」
ただでさえ丸い目をくりくりさせて悩む。
女のあたしですら可愛いなぁーって思う仕草。
しかも狙ってじゃなくて天然。
「こういうのってなんか二つ揃わないと意味ないでしょ?
だから友情の証みたいな感じでいいかなぁ〜って思ったんだけど…駄目かなぁ?」
駄目かなぁ?って……
ああもう。
ちょっとあたしが男だったらとか思っちゃうくらいだ……。
「そうだね。いんじゃない?不滅の友情ってことで。」
我ラガ絆不滅ナリ