２月２５日　　思いやりか同情か

「聞いてくれよ、とっきぃ〜！」

「あぁ？ふざけた名前で呼んでんじゃねぇーよ奏。」

誰がとっきーだ。たっく。

「奏真が最近ツレないんだよぉ〜」

めそめそ泣くな、男だろうが。キモい。

「今に始まったことじゃねぇーだろうが。」

テメェはブラコン過ぎるんだよ。

「いつもよりもっとツレないんだよぉ〜うわぁん」

女みたいになよなよした兄貴がいたら
俺ならグレて、しばいてる所だがな。

「知るか。女でも出来たんじゃねーのか？」

「うーん僕もそー思ってねぇ、奏真の部屋に侵入して
　メールチェックと手帳のチェックしたんだよぅ」

んな事してんのかよ。
家族でもそれは犯罪じゃねーのか？

「だけど何にも出てきてくんないんだよぅ〜」

つーかお前の気持ち悪さに見限りをつけたんじゃないのか？

「あ。とっきー今酷い事考えたでしょ？」

「お前な、ブラコンも大概にしとけ……」

「うわぁん、聞いてよ空！とっきぃがイヂメル……」

泉？
なんでそこに泉が出てくんだ？

「僕のほうも聞いてくれよ奏！愛する我が妹姫が
　最近暴力的になってきて、帰ってくるなり飛び蹴りするんだよ！！
　女の子なんだからつつしみなさい！って言ったら『テメェにしかしねぇよクソ兄貴！』って……」

こいつも仲間か。
しかもシスコン。最悪だな。

「うーん反抗期なのかなぁ？」

「いや、これはこれで愛情表現という考え方も……」

「なるほどぉ照れてるのかぁ〜」

クラス替えしてぇ。
なんで俺の周りにこんなやつしかいねぇんだよ。

女漁りは飽きたしな……
探せばいくらでもひっかかりやがる、面白みがねぇ。

屋上にでもサボリに行ってもいいんだが……
あとで奏に泣きつかれてもウザいしな。

「とっきぃ〜……」

「あんだよ。うっせぇな……」

しゃーねぇからしばらくは付き合ってやる。