10月19日   この気持ち、隠しきれない

 

秋吉先輩秋吉先輩秋吉先輩……

うひゃぁ〜〜今日も格好いいなぁ〜…

ていうか先輩はいっつも常に格好いいけどね!!


「何しとんのやタマ?」

「ふにゃぁ!?」


いきなり話しかけられて体制を崩して
フェンスの下の薄いコンクリートにかけていた足をずり落ちさせて
視界がくるりと転換させられる。

私ってつくづく、運動神経がないよね。


そして変わった視界から覗くのは見覚えのある、風にゆれるツインテール。

 

「ひ、雛ちゃん。びっくりしたぁ〜。って、タマ呼ばないでよ!」

「ええやん。みんなタマって呼んどるし、かわええし」

「可愛くない!タマってどう考えても猫だもん…」

「そうかぁ?今時猫にタマなんて古風な名前つけへんやろ。
 それで、なにしとったん?多美」

「……べ、べつに、なんにもしてないよ…」

「タマ、嘘下手くそやろ?」


またタマって呼んだ。
ここまでくるともうわざと?


「ほんとに、なんでもないよぅ」

「ホンマに?」

「ほんまに!」


あ、関西弁うつっちゃった。
なぁんか、雛ちゃんと喋ってるとテンポずらさるんだよねぇ。


「そうかぁ?えーっとどれどれ……こっから見えんのは…陸上部か」

「べ、べつに陸上部になんてなんにもないよ!」

「ホンマ、タマは嘘つけへんなぁ」


う。
そうですよ、私はいつもいつもい〜っつもわかりやすい人間なのよ。
すぐに顔にでちゃうし。
テンパって口滑らせちゃうことなんてよくあるし。

で、でも。今回だけはうまく誤魔化さないと!


「ははーん。その様子でいくと恋愛関係やな……
 さしずめ……タマの性格から言うと…秋吉先輩っちゅうあたりやろ」

「にゃ!?」

「お、山勘あたったわ」


山勘!?

っていうことは……


「ホンマわかりやすい奴っちゃなぁ、タマは。
 しかもさっき「にゃ」っちゅーたし」


けらけらと楽しそうに雛ちゃんは笑う。
完全にハメられてる……。

うにゃ〜〜!!ど、どどどどどうしよう!?


「あ、あの。雛ちゃん。このことは……」

「安心しぃ。ウチは秘密ちゃんと守ったるさかいな。
 せやけど、タマが秋吉先輩をなぁ〜。面白いこと聞いたわ。
 あ、そろそろ可奈姉との約束の時間やわ。ほんじゃ、タマ」

「え、あの…雛ちゃん…雛ちゃん!待って、って、行っちゃったぁ〜〜」


安心できるわけないじゃない!!

雛ちゃんってだってあの二階堂雛なんだよ。
伝説のおせっかいシスターズ、二階堂姉妹の雛なんだよ!?

どうしよう!?
二階堂姉妹の片割れに好きな人を知られるってことは……。

うみゅぅ〜〜どうしようぅ〜〜

ああ、さようなら私の淡い恋の思い出さん…。
こんにちわ、羞恥の日々…。


あ。でも、またの名を恋のキューピッドとも言うよね?

えっと。たしか亜紀ちゃんって雛ちゃんのお陰で恋が成就したんだよね。

わ、私も期待していいのかな?
でも……失敗例もいっぱい聞いた事あるし…


あ、秋吉先輩ベストタイムだったんだぁ〜
ああ〜〜格好いい〜。


って、見惚れてる場合じゃにゃいやい!

どうしよう〜〜。
そりゃあ私一人じゃ告白はおろか、話しかける事すら無理だけど……。

秋吉先輩見れば見るほど格好いいなぁ……。

って違う違う!

ああもうっ。

本当、どうしよう……。


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