10月1日   女心のように
 
「っくはぁ……格好良いなぁ………」
「またやってんの?鑑賞会。そんなに格好良い?冴木君」
「私は冴木君じゃなくて時人様だもん!」

と……ときと……さま……?

「私はねぇ本命は冴木君だけど最近霧島先輩格好良いなぁ〜って思うんだよねぇ…」
「だよねぇ!ビジュアル的には霧島先輩とか羽深先輩とかがいいなぁ……」
「えー!!冴木君だって可愛いじゃん!!」
「いや。可愛いけどさぁ格好良いだったら先輩方には劣るんじゃない?」
「可愛いっていえばぴょこぴょこしてて笹倉君可愛いよね〜」
「うーん。。でもなぁ会長が優しい顔で笑ったら私たぶん惚れる!」
「ええ!?北条先輩はあの意地悪な顔が素敵なんだよ!」
「ていうかさぁ……実は私三津先生のファンなんだけど……居ないわけ?ミッチーファン」
「私もみっちー好きだよ!素顔が見たい!でもあのミステリアスな感じがときめくっ」
「なんかセンセイって響きの時点でいいよねぇ〜」
「職権乱用とかしてそうでそれはそれでいいよね!」

みんなして馬鹿馬鹿しいな。
ていうかなんでうちの生徒会は全員男子。それも美形揃いなんだろう。
やっぱ女子の投票数のせいなのかなぁ……。
ああ耳にタコができる。。。
乙女の妄想に付き合ってらんないよ……本当。
本人たちからすればいい迷惑なんだろうなぁ〜勝手に象徴としてまつられて
崇められて仮想恋愛の対象になっちゃったりして。
まあ一部仮想じゃなくて告白しにいく子もいるんだけどね。殆どの子が撃沈。
遊んでた北条先輩もなんか噂じゃ彼女にベタ惚れらしいし。
後の人はあんまり誰かと付き合ったって噂聞いた事無いんだよねぇ。

乙女達の妄想話は生徒会以外の人間に飛び火する。

「ねえねえもしあのメンバー以外に生徒会が考えられるなら誰だと思う?」
「そうだなぁ……性格はともかく雪城君とかかな?」
「げ!?あいつC組の文月さんにベタ惚れじゃん!」
「そうそ。あれは重症だよねぇー。しかも噂だと中等部にフィアンセ居るらしいよぉ?」
「マジで!?うわっは〜やっぱ金持ちは違うわぁ」
「あー。ちょっと文月さん羨ましいかも。金持ちだよ!良くね?」
「だよねぇ!あとは美形っていったら………うーん…」

ていうか生徒会の絶対条件は美形かよ。
思わず心の中で突っ込むけど決して口に出さない。
恋する乙女のパワーほど恐ろしいものはないんだから。

「あ。咲君とか!」
「ああ!咲先輩の弟君!あんま似て無いけどあれはあれで格好いいかも」
「眼鏡が知的でいいよねー」

げ。よりによって奏真ぁ!?
あいつ格好よくないじゃん。まあ同じ境遇同士同情はしてやるけど。
眼鏡とか普段してないよ。学校の時だけ優等生気取っちゃってるし。

「秋吉君って何気に良くない?」
「陸上部一年のコ?ちょーっと冴木君の面影在るよね〜」
「そうそう。なんていうのかなぁ?腹黒系って好き♪」
「ああ〜わからなくもないかも」

秋吉って……誰。
つーか美形はみんなチェックしてるわけ?なんかみんな暇人だなぁ。
にしたって一年生までカバーしてるとは。うーむ、乙女って侮りがたい。

「あとはなぁ。中等部に良いコいるんだけどやっぱなんか微妙だし……」
「だねぇーいくら顔良くても中学生はなんかまだ顔つき幼いし」
「ええ?!中学校の生徒会長格好いいよ!」
「わかる!!でもでもあの人副会長と付き合ってるって噂あるじゃん」
「彼女持ちなの?そういうのってなんか冷めるぅー」
「でも中学の生徒会も結構美形揃いだよね」
「あーー……でもやっぱ時人様には劣るなぁ」

結局その話は現生徒会が一番。で終わる。
なんていうかもっと実りのある会話は出来ないの?

「ああ〜〜生徒会入りたぁい!!」
「もうなんていうか生徒会室とか神聖だよねぇ☆」
「うんうん!あぁん、時人様にお茶淹れでもいいからしたいわぁ」
「ヘマして羽深先輩に怒られるのもよし!落ち込んで冴木君に泣きついてもよし!
 霧島先輩に慰めてもらってもよし!三津先生と楽しくおしゃべりするのもよし!
 笹倉君と馬鹿やりあってもよし!咲先輩と一緒に北条先輩をおちょくるのもよし!
 そして北条先輩に思いっきり馬鹿にされて冷たくあしらわれてもそれはそれでよし!」
「くはぁ〜〜選り取りみどりってこーゆーこと!?」
「もう最っ高!!」
「だよね!」

そこでようやっとチャイムが鳴る。
乙女達の井戸端会議もようやく終わりを告げてわらわらと去っていく。

「はぁ………終わった……」
「生きてるか?」
「………死んでる」
「窓際って災難だな……女どもはどうして窓際なんて好むんだ?」

そりゃ……窓辺からは次体育の北条先輩のクラスの授業準備が見えるから。
なんていっても奏真にゃ関係ないか。

「アンタの方がよっぽど災難。」

話のネタにされてることは知らないんでしょ?

「俺?なんで俺なんだよ??」
「奏真は馬鹿だから教えなぁーい」
「なんだそれ!腹立つなオイ」
 
「奏真くぅ〜ん」
「はい?何か僕に用ですか?」

ああ……こんの似非優等生が。

「で。なんだよさっきの話?」
「べっつにぃーーー」

乙女心をすこしは……知れ。




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