それぞれ挨拶を交わして生徒会メンバーはがらがらと生徒会室に入ってくる。
本日はまだ冬休みだというのにご苦労なこった。
9時45分頃。顧問 三津哲平先生到着。
ちなみに本日のコスプレは金髪ロン毛。
「えー。可愛いからいいじゃん。あきらん。それともあーちゃんって呼ばれたい?」
生徒会メンバー全員集合。
全員が席に着いたのを見計らって立ち上がる三津先生。
「てーことで新年最初の生徒会ってことになるんだが……」
「まっ、あけおめことよろぉ〜今年も適当になんかやって頑張ってねー♪」
はぁ……ため息が見事にハモる。
担当教師がこんなんで今までよくやってきたもんだという疲労感と
これからもこんな適当な担当教師で半年生徒会が動くのだという脱力感。
「本当は色々企画立てなきゃいけないけど新年最初なんだから面倒ごとは抜きって方向で。
んじゃ、今年の生徒会の抱負いってみよう!」
声だけ聞けばやる気十分だが片手にタバコ。
やる気が感じない。どっちかっていうと仕事するのが面倒なだけだ。
それに対して真面目なコメントを言うのもなんだか馬鹿らしい。
誰一人として挙手しない。
玲は面倒臭そうな顔をしつつも上を見上げてほんの少し考えた。
「………まず目標としてはふ抜けた教師を退職させる。」
「え?ええ?ふ抜けたって誰?僕?僕なの??
ミッチーショック!」
「ひどーいあきらんったら。でも嫌よ嫌よも好きのうちってね☆
んじゃ次は〜凍也!」
にっこりと。ハートマークつきで言い放つ。考え時間僅か0、5秒。
天使のような顔でお腹の中は悪魔の如しな凍也。
その場の空気が3度下がった気がした。
「ふふふふふ…そうやっていられるのも今のうちですよ北条先輩」
ひくひくと顔の筋肉が痙攣を起こしかけているのを三津は自覚した。
「うぃっす。えーととりあえず自己ベストタイム出すのが目標!!」
「え?……ああ!なるほど。じゃあ今年もぼちぼち頑張ります!」
流石天然。
この空気の悪さの中そんなボケっぷりができる駿を三津はある意味尊敬した。
「……今年もみんなの迷惑にならないように一生懸命仕事やりたいな…とかかな。」
ようやっとマシな回答が返ってきた。
いがみ合っていた時人と凍也も席について大人しくしている。
「はいはーい。まず生徒副会長として僕的には会長であるとっきーを
思いっきりおちょくって面白おかしくすごせたらな〜って感じかなぁ」
「えーだってとっきーって面白いからつい苛めたくなるっていうかなんていうかぁ〜」
あはははは。と笑う奏。
時人は何故か奏に対してだけはキレにくいので空気は軽い。
ふんっと鼻で笑って組んだ足を机の上にがつりと乗せる。
とっきーったら行儀悪いーという奏の言葉を無視して話し出す。
「この学園は俺がルールだ。今年も俺の好きなようにやらせてもらう。
文句のある奴は今すぐ出て行きやがれ。
俺の目的はただ一つ。俺の目障りな奴が居ない学園…それだけだ。」
にやりと口元がつりあがる。
元々目つきの悪い男だ。余計いやらしくみえる。
自己中心的な物言いだが一応はちゃんと学園の事も会長なのだから考えているのだろう。
さて、あなたの今年の抱負はなんですか?
声を大にしていってみましょう!