のどかなリオール村。




そんな小さな村には三人の子供達がいました。






元気に野を駆け回る太陽のような男の子がアスカ

どこか毒々しく大人っぽい言動をする男の子がグレイ

そしてその2人をそっと見守るようにいつもついてくる女の子がティア







さてさて

此度のお話はそんな小さな村での小さな小さな冒険のお話です。








「「ティ〜ア!一緒に行こうっ!!」」

トントントン

アスカとグレイがティアの家をノックしています。
やがてガチャと扉が開かれそこから女の子が出てきました・・・ティアです。

「うん!って・・・・どうしたの2人とも・・・?」

ティアは二人の格好を見てビックリしました。
ふたりとも木を彫って作られた木刀を持っているのです。


「あのね!オジちゃんが街まで行ってお魚買って来いって・・!」

アスカはそわそわとうきうきが同居したかのようなはやる気持ちを抑えきれない表情でした。
小さな手はしっかりと革の袋で作られた財布を握り締めていました。

ここリオール村は山々に囲まれた国です。
川は流れていますが大きな魚は取れません。
ですからたまに街まで行って魚を買いにいくこともあるのです。

アスカとグレイはお使いを頼まれたのです。


「でも・・私達だけで行くの??・・・私怖いよぅ・・」

三人とも大人無しで外に出るのは初めての事でした。
もちろん外には怖いモンスターだってウヨウヨいます。
臆病なティアは戸惑ってしまいました。


「大丈夫だって!モンスターが出ても俺達が倒してやるから!な?アスカ!」
「うん!もっちろん!!」

自信満々の笑顔でグレイとアスカが言いました。


うーんとしばしティアは迷いましたがティアも一緒に行く事にしました。




森の中は村とは違い薄暗く背の低い三人からしたら
聳え立つ木々がとても大きな存在で始めは元気だった3人も次第に無口になっていきました。


一番近い街に行くにしても子供の足では相当の距離です。

でも3人は弱音は言いませんでした。


三人にとってはちょっとしたお使いであっても大冒険のような気分だったからです。
冒険者はどんなに辛くても逃げてはいけません。
冒険から逃げたらその人の負けです。

だから3人は今にもはちきれそうな風船のような気持ちを抑えてちゃんと前を向いて歩きつづけました。




ガサガサッ





そんな時近くの茂みが突然揺れました。

あの時は強気でアスカもグレイも倒してやると言いましたがやっぱりまだ子供です。
動揺が隠しきれません。

小さなモンスターならまだしも大きなモンスターにでも出てこられたら大変です。


「・・走ろう・・・。走って逃げ切ろうよ?」


おろおろするアスカとグレイの後ろで黙っていたティアが口を開きました。

あまり意見をする事の無いティアの提案に2人ともちょっと驚いてしまいました。


「モンスターから逃げても、それって冒険から逃げた事にはならないよ?」


ね?とティアは首をかしげました。
ティアの足は僅かに震えていました。
本当は戦う事の出来ないティアが一番危険で恐怖の渦の中にいた事をそこでやっと二人は気づきました。

「うん!よし行こう!!」

アスカはティアの右手と
グレイはティアの左手と手を繋ぐと一緒に走りました。


今度はティアが驚きました。

二人の方がティアより全然足が速いのにわざわざ一緒に走ってくれるとわかると
怖かったのに不思議と顔が笑顔に変わりました。


それを見た二人も自然と笑みがこぼれました。




さっきまではおどおどしていたのに
いつの間にやら始めの元気を取り戻していました。








そして3人は無事お魚を街で買って村に持って帰ることが出来ました。








些細な事にしかならない小さな小さなお使いのお話。


でもそれは子供達からしたら初めての大冒険。





そして三人の友情が深まった忘れられない物語。
















でも3人はそれが仕組まれた事だったと知ることは無かった。



**後書き**


どうもvミストです。

ついに我がサイト『月の万華鏡』も一周年を迎えることが出来ました!!
長かったような短かったような一年間でした。
といってもタグの知識もなんら進歩の無いミストな訳ですが・・。

まぁそれは置いといて・・。

一周年記念という事でしたのでメイン長編小説の番外編を書きました。

最後の一行の意味は実はガサガサという音はオヤジ・・もといディードさんが出していた音で、
実は三人を襲おうとしていたモンスター達をあらかたディードさんが倒していた・・と言う訳です;;
どこかでこの事実を書こうとか思いましたが文才無いゆえこんな形でのネタばらしになりました;;

それでタイトル募集中とか言って即席でこの物語を冒険物語とか冒険小説とかと呼んでいましたが・・。
ついに!正式にこの連載にもタイトルが付きました!!

それは「ペリドット」です!!

なんでペリドットなんだ!?と疑問に思う方がいらっしゃいましたら連載小説のほうを気長に待っていてください。
恐らく誰かが解説してくれると思います。

どういう形で登場するかはまだ私自身も決めていないので
ひょっとしたら最終回の時の後書きで私が解説する可能性もあります;

まぁ・・どちらにせよ私が根気強く最終回まで続けられたら・・の話ですけれど;;




そして最後に・・・。
ついに一周年を迎えることが出来大変嬉しく思います。
こんな私でも一生懸命頑張っていきたいと思いますので
これからもそっと私と私の愛する小説のキャラ達ことを温かい目で見守ってやってください!

それでは!二周年記念も会える事を祈る限りです!!



Tank You!!

2004.3.31.ミスト

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